--まえ製作所ラジオ修理館--
三菱ラジオ--5P-270-
http://maepen25.web.fc2.com/main/radio/varadio/5p-270/5p-270.html












私が以前に直した5P-468を会社に持ち込んで作業中にジャズを流していました。
真空管ラジオでジャズを聞くと結構お気に入りの音に変化するわけで(笑)
それで会社の女性がジャズ好きということもあり流れで真空管ラジオを修理して差し上げることに。
ただ、それが長い長い修理になることになりました。現状はご覧のとおりひどいです。変な液体で本体ちょっと溶けてるし。
今回のラジオは本当に真空管とラジオの勉強になりました。時間はかかりましたが会社の女性にも気に入っていただけたようで何よりです(^o^)/
本体内部の様子。やはりこの手のラジオは使わなくなってから時間が経ってるようで、ホコリや汚れがすごいです。



本体後板に貼り付けてある回路図。ちょっと写真ボケちゃった。。



まずは本体清掃のためにつまみやその他を取り外しラジオのシャーシも取り外します。
私のところでは本体ケースもアルコールや洗剤を用いて水洗いをします。


フロントパネルです。結構白濁していて透明感が失われています。
下手な溶剤を使用すると溶けたり濁ったりするので注意が必要ですね。
パネル清掃ではヘッドライトクリーナーなどの細かい研磨剤や、IPA(イソプロパノール)を使います。




部品等以前に交換されていないかを確認。
ん〜キチャナイ(笑)私は数十年立っている部品は一切信用できませんので、抵抗やコンデンサはすべて交換します。


ダイアル糸の確認。本体に書いてある場合が多いけど、一応。
ダイアル糸は今でもオヤイデ電気で10M/\290円で売ってます。普通になにに使うんだろうか。
昭和30年代後半になると複合部品としてRとCがひとつのパッケージになったものが多くなります。
ネットの文献を見ているとこやつも悪さをする時があるらしい。なのでラグ板を立てて交換!

複合部品の交換後、こんな感じでラグ板を立てて交換。このラジオは3つの抵抗とコンデンサが複合されてました。


こんな感じね♪


ダイアル糸も新しいのをかけ直し、部品のチェック!一応商用電源がかかるので念入りにチェック!チェック!!

こんな感じです。結構入り組んでます。
ちなみに私は耐圧は160V以上のコンデンサを使い抵抗器も1/2W以上を使います。
特に50Ωなどの比較的抵抗値が低く電力の掛かる場所では、1Wのちょっと高いですがキンピを使います。
千石電商では1/2W以上はセメントかキンピとかしか無いのでそうします。

ちょっと文章が前後しますが、通電OKなら実際にケースに組み込めるかをテスト。
部品交換後や複合部品に使ったラグ板などがケースに当たる場合があるので。。。。




実際にケースに組み込みテストしてます。
パイロットランプがついてるでしょ?
問題なし!(実はこの前に真空管のソケット不良でならなかった

後板もはめ込んでみる。うん!OKでしょ!

このラジオはもうひとつ問題があり、ボリュームが絞りきれませんでした。
テスターで検査すると抵抗値の異常。交換ですね。 んー、元の可変抵抗と 部品交換はできないな。

というわけで可変抵抗器を交換。500KΩですね。一般的なようです。
現行の手に入る可変抵抗器は軸が短いのでアダプターをかまし延長します。
アダプター付属のネジは+ネジですが全長が長く出っ張りが。。。
なにがあるかわからないので同じサイズ(3mm)のイモネジを使い出っ張りが出なくなるようにします。


アダプターから先は元のボリュームからのこぎりで切り出し延長。
切るのが疲れるんだわ(泣)
でも、仕上がりを見て満足する私(笑)


というわけで本格的なテスト。
部屋を暗くし問題がないか確認。


実はこのラジオ。フロントパネルのメーカーロゴが入ったアルミ板が外れててなんだか情けない感じに。


というわけで適当に工作です(この時点で工作してるな(笑))
ユザワヤでカッティングシートを買ってきて貼り付け。
色は〜なにがいいかな♪ どうせならおしゃれがいいよね??5P-468は金色だから〜


んー、以外に悪くないかもです。
結構インパクトというか見た目印象は悪く無いです。まぁ、できれば元の状態がいいのですが。。。

シツコイくらいに撮影。
出来栄えが結構お気に入りなので(汗)

実は、このラジオもう一台あります。近く(神奈川県鶴見)でオークションに出てて2k円だったもので。。
自宅にラジオが集まっていく・・・(でも、使えないんだよなぁー)

処理後ですが、やはり年代物のラジオ。この写真はラジオの上からですがこういったように傷がつき汚れています。
基本的に誰かに渡すときもそうですが家に埃の塊があるのはイヤなので徹底的に綺麗にします。
このラジオも800→1000→2000→研磨剤、と輝くまで磨きます。磨きます。腕が死にます。
でもさ、綺麗に楽しんでもらったほうがいいじゃない♪♪

もう一台もこんな感じ。また・・・・これ・・・続くん?

あざっす!こうやって「お礼」とのことでご飯をいただけるとは・・・まだまだできそうです!
貧乏学生にご飯は最高のごちそうですわぁー\(^o^)/


というわけで、だいぶ修理から時間が経っての記事です。上でも述べたとおり今でも真空管ラジオの魅力(?)を
少しでも感じて頂ける方も結構いらっしゃるようで、工学科の人間としては長く使ってもらえるのは嬉しい限りです。
このようなラジオは元手が2000円くらいで部品代も多くて1500円くらいで直してます。
ただ、直してから電源入れるのとか、ひたすら磨くのはツライ・・・
このラジオは会社の方にわたってから思ってたよりおしゃれな感じだと言ってくださり、また、その方が引っ越されたこともあり
今ではリビングの真ん中に置いて頂いているようです。(本当に嬉しいです。ありがとうございます)
私もそうですが真空管ラジオでジャズを聞くとなんとも言えない音や感じがあり、また頑張って直そうと思います(笑)
アナログの勉強にもなるしね♪
直していて感じますが日本の工業製品は優秀だなとつくずく感じます。
数十年たっても現存してますし、激しい劣化がありません。保存状態にもよりますが、内部の部品がでろでろ〜ってこともなく、
部品交換で直ります。
このラジオも末永く活躍してほしいものです。やはり自分が直したものは愛着わきますね。
ちなみに、このさし上げた女性には小学生のお子さんがいます。
小さい頃から真空管のある環境で大きくなっていく。。。。。
もしかして・・・とんでもない英才教育をしてしまった・・・!?
最後に一つだけ・・・


またひとつ、ジャンクを製品にしてしまった・・・・
平成26年8月27日--三菱ラジオ 5P-270作成--




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